本部町が観光客向け無料バスをスタート レンタカー不足に対応 コロナ対応交付金を活用


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周遊バスの無料運行を始めると発表した関係者ら=8日、本部町役場中庭

 【本部】沖縄県内のレンタカーが不足していることを受け、本部町は11日、観光客向けに町内を無料で周遊するバスの運行を開始した。9月30日まで。本部港とハーソー公園の間を毎日5回、往復する。ヒルトン沖縄瀬底リゾートやもとぶかりゆし市場、町営市場、もとぶ元気村、海洋博公園など計12カ所を周遊する。新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用した観光誘客周遊バス実証事業として取り組む。

 運行するのは、32人乗りの大型バス1台。町から町観光協会が委託を受けて事業を運営する。町内の宿泊施設に泊まる観光客が無料で利用できる。本部町民は利用できない。

 県内のレンタカー不足の背景には、2020年から続くコロナ禍で観光客が激減し、減車したことがある。徐々に観光客数が回復し、需要も戻りつつある中でレンタカー不足が生じている。

 観光客が同町を訪れる際には高速バスや高速船を利用することが可能だ。しかし、バスや船で拠点へ到着後、町内を移動する交通手段がレンタカー以外には少なく、宿泊施設への移動も含めて課題だった。

 今回の実証事業により、観光客が町内を周遊する手段を確保し、宿泊事業者の支援や町内観光地の活性化につなげることが狙い。平良武康町長は8日に町役場で開いた記者会見で「コロナ禍をどう乗り切っていくかが行政の課題である。地域と連携して課題を解決していきたい」と語った。

 同協会では電動キックボード、自転車、3輪自動車などが有料で借用できる。問い合わせは本部町観光協会(電話)0980(47)3641、090(3796)8212(當山)。
 (上間宏通信員)