沖縄県の農作物に温暖化影響 マンゴー、インゲン、キク 品質低下や収穫量減、全国ではコメや野菜など70品目超


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 地球温暖化などの気候変動により、品質低下や収穫量減といった影響が出ていると都道府県が捉えている農作物が合計で70品目以上に上ることが16日、共同通信の全国調査で分かった。北海道から沖縄までコメや豆類、野菜、果物、草花など幅広い種類で影響が発生。沖縄県は、マンゴー、サヤインゲン、キク類に悪影響が生じていると回答。マンゴーとサヤインゲンへの悪影響は全国で沖縄のみだった。冬場に気温が一定以下にならないことで、マンゴーの花芽分化が正常に行われず着花不良が発生している。サヤインゲンも正常な受粉が行われず、キク類は親株の畑で生育不良がみられるという。 

 多くの産地が、高温に適応した品質への改良などの取り組みを重ねていることも判明した。

 各地の風土に合わせて農家が生産を続けてきた現場で、気候変動の影響が大規模に及んでいる実態が浮き彫りになった。6月下旬の猛暑のような高温化が進むと、さらに深刻化する恐れもある。調査では、多くの自治体が技術、財政両面の支援などを国に求めた。

 調査は5~7月、47都道府県の担当部署を対象に実施。影響があると受け止めている品目をできるだけ挙げてもらい、キノコ類や山菜といった食用の林産物も含めた。畜産物は対象から外した。

 その結果、「分からない」とした東京都以外の46道府県が、影響を受けている農作物が管内に「ある」と回答した。

 影響があるとの回答が最も多かった品目はコメ(43道府県)。ブドウ(31道府県)、ナシ(28府県)、トマト・キク類(ともに20県)、ミカン(20府県)と続く。

 道府県別で、影響がある品目を最も多く挙げたのは岐阜県の28。和歌山県が21、長野県18、滋賀県17、茨城、群馬両県が16だった。

 コメの具体的な影響は、白く濁る「白未熟粒(しろみじゅくりゅう)」や亀裂が入って割れやすくなる「胴割粒(どうわれりゅう)」の発生などを挙げる自治体が目立った。対策として、高温でも対応できる品種の開発や、田植え時期の移動などが示された。