昨年2月に「沖縄ファンミーティング in 台湾2021」と銘打った沖縄文化講座が台湾で開かれた。主催は沖縄県と沖縄観光コンベンションビューロー。コロナ禍で交流はすでに1年近く途絶えていたものの、沖縄人気は衰えを知らず、申し込み開始から間もなく満員御礼。好調なスタートを切った。
講座はすべて沖縄現地の専門家と会場をオンラインで結んで開催され、台湾からもニュースキャスターや有名作家など、豪華なメンバーが顔をそろえた。1日目は観光客向けに台湾料理体験を提供している厨房(ちゅうぼう)を貸し切って「サーターアンダギー作り」。2日目は沖縄で用意した材料を使った「シーサー作り」と「紅型体験」というラインアップ。沖縄の伝統の味や工芸を台湾でも体験してもらいたいという試みだ。
3日目は、基隆沖にある和平島に会場を移して開催。この島には戦前、沖縄からの移住者が集まる「沖縄村」があったことから、毎年「沖縄祭り」が開催されている。講座はこの祭りとのコラボ開催で「サンゴに願いを・サンゴ再生プロジェクト」と「沖縄コーヒーの味わい講座」という、沖縄の今と未来を感じられる2講座。沖縄から届けられたサンゴ再生用スティックには思い思いの言葉が書かれ、今沖縄の海で根付こうとしている。
会場に流れる沖縄の音楽とスクリーンに映し出された沖縄の風景に「思わず目頭が熱くなった」という参加者もいた文化講座。それぞれの心の中の「沖縄」を温めなおし、新たな思い出をつくるイベントとなった。
(口述・沖縄彭大家族・彭國豪、翻訳と構成・渡邉ゆきこ)