持ち出し規制の植物なのに…フリマアプリで沖縄から流出相次ぐ 昨年初めて10件確認 那覇防疫事務所が注意呼び掛け


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 農作物の病害虫まん延防止のため沖縄からの持ち出しが規制されている植物を、フリマアプリなどを通じた個人間取引で県外に流出させる事例が相次いでいる。農林水産省那覇植物防疫事務所によると2021年に10件が初めて確認され、今年も7月までに3件あった。スマートフォンを使った個人間取引が広がる中、規制を知らない出品者が多いといい、防疫事務所は注意を呼び掛けている。

植物の移動規制について理解を呼び掛ける那覇植物防疫事務所の佐久本統次席植物検疫官(中央)と、吉田洋人検疫主任(右)と、公式キャラクターのぴーきゅん=7日、県庁

 防疫事務所によると、20年までは違反事例はなかった。今年は実際に県外に持ち出される前に防ぐなど、疑義があった事例を含めると14件に上る。

 持ち出しが禁止されているのはアサガオ属、ヒルガオ属など3属と18種。ミカン属など3属とゲッキツなどの18種は、持ち出す前に植物防疫官による検査や消毒を行う必要がある。中でもゲッキツは甘い香りからシルクジャスミン、オレンジジャスミンの名前で出品されている例もある。

 防疫事務所の佐久本統次席植物検疫官は「ジャスミンはモクセイ科、ゲッキツはミカン科で分類が異なるが、ジャスミンの仲間と勘違いされがちだ」と注意点を挙げた。

 一方、アリモドキゾウムシが根絶された久米島や津堅島は、サツマイモなど3属と1種類が他の島からの持ち込みが禁止されるなど、県内間でも規制がある。これらは、輸送過程で郵便局や運輸会社が気付いて止めた事例が21年に2件、20年に4件、19年に6件報告されている。佐久本氏は「2島への規制が始まったのは最近で県内でも知らない人が多い」と述べ、周知徹底する考えを示した。

 違反した場合は3年以下の懲役、もしくは100万円以下の罰金を科される可能性がある。繰り返し行うなど「悪質な場合」に適応されるといい、県内では指導注意にとどまっている。

(知念征尚)