【中部】米空軍嘉手納基地にある民間地に近い元駐機場「パパループ」地区に米軍が防錆(ぼうせい)整備格納庫の建設を計画している件で、嘉手納町は21日、建設場所を民間地と離れた場所にする代替案を米側に提示した。當山宏町長が在沖米総領事館を訪れ、現計画に抗議し、見直しを求めた。
町が提示した候補地は、米側の計画と比べて約400メートル民間地から遠ざかる地点。基地の滑走路寄りで、現在の防錆整備格納庫がある場所にも近い。また町は、滑走路近くの駐機場を現在の防錆整備格納庫の場所に移転し、駐機場がある場所に防錆整備格納庫を建設する案も提示した。
米軍は嘉手納町に対し、現在施設がある場所での建て替えは高さ制限に抵触するため不可能だと説明している。一方、當山町長は、町が提示する代替地に建設した場合は、高さ制限をクリアできるのではないかと指摘した。町は29日には嘉手納基地で米空軍にもこの代替案を提示する方向で調整している。
対応したマシュー・ドルボ在沖米国総領事は「在日米大使館、米本国、米軍にも要請内容を伝えたい」と応じた。
當山町長は「現在の計画で整備が強行されれば町民との信頼関係が失われる。町民から撤去、抗議の声がやむことはないだろう」と計画見直しを強く求めた。
(島袋良太)