沖縄から世界に渡った海外移民、氏名や本籍地を検索できるデータベースが完成 多言語にも対応 玉城知事「ルーツ調べに」 


この記事を書いた人 Avatar photo 仲井間 郁江
沖縄県系移民渡航記録データベース

 沖縄県は22日までに、沖縄県民の海外移民が始まった1900~37年の間に、世界各地に渡った県出身者約5万人分の渡航記録をまとめたインターネットサイト「沖縄県系移民渡航記録データベース」を公開した。

 県出身者の渡航先と氏名、年齢(出生年)、本籍地、戸主名、旅券発行日などの検索が可能で、日本語、英語、スペイン語、ポルトガル語に対応する。都道府県単位で移民者の渡航記録データベースを構築、公開するのは全国でも初めて。

 外務省外交史料館が所蔵する「海外旅券下付表」などから沖縄県系の渡航記録を収集し、データベース化した。

 22日の記者会見でデータベースの公開を発表した玉城デニー知事は「沖縄移民が初めて海を渡って120年がたち、今、世界のウチナーンチュは約42万人を超えると言われている。自身のツールを調べることや海外へ渡航した親戚の足跡をたどることができる」と活用を呼びかけた。

 データベースは県立図書館とハワイ沖縄連合会、沖縄移民研究センターが2018年から共同で開発した。県立図書館が実施する「移民一世ルーツ調査サービス」とも連携し、海外移民のルーツ調査がより円滑にできるようになった。

 10月31日から11月3日にかけて「第7回世界のウチナーンチュ大会」の開催を予定してり、玉城知事は「沖縄県が苦しい時代に雄飛の精神を持って移民された方々に思いを寄せ、現在の世界のウチナーンチュとの交流をさらに展開していくために役立ててほしい」と語った。

(梅田正覚)