沖縄、中学数学の正答率42%、全国9.4ポイント下回る 全国学力テスト


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 2022年度全国学力・学習状況調査で県内中学の数学は9.4ポイント、理科は5.3ポイント、それぞれ全国を下回り、生徒は授業以外の学習時間が短い傾向が出るなど中学校における学習の課題が浮き彫りになった。県内児童生徒は、新型コロナウイルスの影響で学校に通えなかった日数が、全国と比べ長かったことも明らかになった。

 2022年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)は、3年ぶりの4月実施となった。国語と数学.算数のほか、18年度以来、理科も加わった。全国を9.4ポイント下回った中学校の数学は、計算結果などを短い文章で解答する短答式の問題や、数と式に関する問題の平均正答率で全国との開きが見られた。中学校国語と小学校3教科は、いずれも全国並みの結果だった。

 県内中学校の数学の平均正答率は42%で、問題形式別に見ると、短答式の平均正答率が50.8%と、全国と14.9ポイントの開きがあった。選択式は44.0%で8.6ポイント、記述式は31.4%で4.8ポイント、それぞれ全国平均を下回った。数と式、図形、関数、データの活用の4区分のうち、数と式に関する問題に課題が見えた。平均正答率は44.0%で、全国より13.4ポイント低かった。

 理科は、粒子に関する問題の平均正答率が45.8%で、全国を5.1ポイント下回った。国語は言語文化に関する問題で平均正答率は63.8%と、全国より6.4ポイント低く、差が最も大きかった。

 県内小学校3教科の平均正答率は、いずれも文部科学省が全国並みの基準の目安とする上下5ポイント以内だった。国語は、中学同様、言語文化に関する問題の平均正答率が低い傾向にあり、全国より7.6ポイント低い70.3%だった。算数は「図形」の平均正答率が低く、56.6%で全国を7.4ポイント下回った。

 理科は、中学同様、粒子に関する問題の正答率で差が大きかった。平均正答率は56.3%で、全国を4.1ポイント下回った。その他の問題区分の差は1.3~3.0ポイントで大きな開きはなかった。

 学力テストに、県内からは公立小学校248校約1万4450人、公立中学校145校(理科のみ144校)約1万3200人が参加した。
 (吉田早希)