米須の鉱山開発 公調委審理終結 南部遺骨土砂問題


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糸満市米須の土砂採掘予定地=2022年3月、糸満市米須

 【東京】沖縄戦跡国定公園内にある糸満市米須の鉱山開発を巡り、開発業者の沖縄土石工業(永山盛也代表)が県の措置命令は違法だとして国の公害等調整委員会(公調委)に不服を申し立てた裁定審で、公調委は7月29日、主張、立証が尽きたとして審理を終結した。

 県と業者はすでに条件付きで採掘を認める案に合意している。この日の審理で裁定委員長の問い掛けに対し双方は意見の陳述をせず、「追加の主張、立証がないことからこれ以上の審理の続行は必要はないと判断した」と述べ審理を終結した。

 公調委は今後、委員会としての判断をまとめた裁定書を作成するが、沖縄土石工業側が申し立てを取り下げる可能性もあり、焦点となる。

 県は6月、沖縄戦戦没者の遺骨が見つかった場合の採掘作業を中断するなどの条件を設けた上で、県は採掘を認める内容を業者と合意している。一方、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」や支援者は県に合意の受け入れ撤回と戦没者遺族の意見を聴き取るよう求めている。