3人同時にグランプリダイヤモンド大賞 琉球民謡伝統協会の民謡コンクール


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琉球民謡伝統協会のグランプリダイヤモンド大賞を受賞した(前列左から)伊藝誠一郎、長嶺心美、山里秀一と、新崎松秀会長(後列)=那覇市

 琉球民謡伝統協会(新崎松秀会長)の民謡コンクールがこのほど開かれ、同コンクールグランプリ受賞者が競い合うグランプリダイヤモンド大賞に「白鳥小節」を歌った伊藝誠一郎と「女心(いなぐぐくる)」を歌った山里秀一、「アッチャメー小」を歌った長嶺心美が選ばれた。同賞は、審査員全員から100点満点中95点以上をもらうことが条件。いずれも新崎の弟子で、同賞の3人受賞は初。

 グランプリ受賞は約20年前という伊藝は、自らの芸を高めるため受験した。「叱咤(しった)激励していただいた会長に報えたと思う。早弾きや情け歌などいろいろな曲があるので、引き続き学び続けたい」と話した。

 山里は師匠の新崎の歌で、最も印象に残っている曲で挑んだ。「とてもゆっくりとした古典調で、高音部の歌い方が好きな曲。恥ずかしくない歌を歌おうと稽古を重ねて来たので、受賞できてほっとした。賞にこだわらずに、稽古を続けたい」と意気込んだ。

 新崎が「早弾きの天才」と評する長嶺は、3度目の受験で「ダイヤモンド」に輝いた。「三線の調弦を上げたら、これまでより大きい声が出せて、受賞できた。先輩みたいに、もっと格好良く弾けるようになりたい」と笑顔を見せた。新崎は「歌の本当の勉強はこれから。自分の個性を生かしながら、民謡もポップスもいろいろな曲を歌いこなせるようになってほしい」と激励した。
 (藤村謙吾)