増えすぎたアオウミガメの対策、専門家が提案する「共生策」とは


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
亀崎 直樹(岡山理科大学教授)

 増加するアオウミガメへの対策について、ウミガメの生態に詳しい岡山理科大の亀崎直樹教授(は虫類学)は、アオウミガメを食料として活用することを提案する。

 亀崎教授によると、八重山諸島を含むアオウミガメの生息域では、人々がアオウミガメを貴重なタンパク源として食料にしてきた歴史がある。1980年代に竹富町黒島の黒島研究所での勤務歴もある亀崎教授は、「当時の八重山ではアオウミガメを食べる文化が残っていた」と話す。

 県水産課によると、県が設置する沖縄海区漁業調整委員会から承認を受けると、現在でも制限付きでウミガメを捕獲することが可能だ。

 亀崎教授は「現在ではアオウミガメが増えすぎており、他の生物へ悪影響を与えている例もある。人間も生態系の一部だ。アオウミガメが捕れる地元でアオウミガメを食べることで、量を減らすことも必要だ」と語り、アオウミガメとの共生について提案している。
 (西銘研志郎)


アオウミガメが増加、希少な海草が全滅の危機 沖縄・西表島で食害深刻、生態系崩れ漁業にも影響 環境省は管理計画を検討