天候不順直撃で野菜高値 店頭1.3~1.5倍、タマネギ2個・ダイコン1本298円


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
ダイコンを買い求める客。この日はダイコン1本、キャベツ1玉共に税抜き298円の値を付けた=3日、那覇市のサンエー那覇メインプレイス

 長雨や日照不足など全国的な天候不順で、野菜の高値が続いている。昨年から価格が高止まりしているタマネギに加え、最近はニンジンやダイコンの卸売価格も例年の約2倍に跳ね上がっている。沖縄協同青果の担当者は「今月末か9月頃には落ち着く」とみるが、一部品目では高値の継続も予想される。

 沖縄協同青果によると、ニンジンとダイコンはこの時期通常1キロ当たり150円前後で取引されるが、今年は250~300円代で推移している。主な原因は主産地である北海道の日照不足など天候不順による生育不良で、出荷量が大幅に減る中、全国的に引き合いが強まっているためだという。

 昨年から高値で取引されているタマネギも、この時期は主要産地が北海道から佐賀県へと移行するが、今年は佐賀県でも低温・乾燥の影響で生育が遅れているため価格が下がらないままだ。

 県外から仕入れるキャベツや白菜などの葉野菜も品質、出荷量ともに良好とはいえず、小ぶりのものが高く売られている傾向にあるという。

 県内小売最大手のサンエーでは、2本入りのニンジンを例年同時期の約1.3倍に当たる258円で、ダイコンは同1.4倍の1本298円で販売している。タマネギ2個入りの価格も同1.5倍の298円を付けている。担当者は「青果物のできや価格は天候に大きく左右されるため見通しが難しいが、なるべく新鮮で良い品を安く提供できるように努めている」と理解を求めた。

 買い物中だった30代女性は「食べ盛りの子ども3人が夏休みに入りカレーライスを作ろうと思っていたが、タマネギとニンジンが高くて手が出ない。焼きそばに変更した」と話す。物入りな旧盆も近いため「早く価格が落ち着いてほしい」と願った。

 沖縄協同青果の担当者は「今が旬のゴーヤーやオクラ、ヘチマは順調に出ている。この機会にぜひ県産野菜を積極的に食べてほしい」と呼び掛けた。 (当銘千絵)