ロシアによる侵攻を受けているウクライナのセルギー・コルスンスキー駐日大使が5日、那覇市のザ・ナハテラスで講演会を開催した。コルスンスキー氏は海外へ避難した600万人のウクライナ人のうち、1600人は沖縄を含めた日本に受け入れてもらっていると紹介。「私は日本の国民一人一人にありがとうと言わないといけない。今受けている支援は前例のないものだ。避難者は沖縄で安全なシェルターを見つけた」と感謝した。
講演会は県議会の野党会派と中立会派が主催した。戦闘で負傷した兵士や民間人をリハビリのため沖縄に受け入れるプログラムの実現に向け、「アジア・沖縄ウクライナ医療支援準備室」(鈴木理恵特命共同代表)が発足したことも紹介された。同準備室は今後、県内を拠点とした基金設立なども計画する。
コルスンスキー氏は「日本とウクライナの間にできている友情の架け橋を強化し、規模が小さくても人道的な支援プロジェクトを実現したい」と支援を求めた。
一方で、コルンスキー氏は、ロシア軍侵攻地域では子どものおもちゃに爆弾を仕かけられたり、国際条約で禁止されるクラスター(集束)弾が使用されたりしたなどと主張し、強く非難した。「私たちは平和を望んでいる。だが平和を望まず、世界秩序を壊したい一人の気の狂った人がいる。それでもわが国は必ず勝利する。全ての民主国家がウクライナを応援しているからだ」と強調した。 (梅田正覚)