単独世帯、2035年43%ピークに 高齢化や未婚率上昇 りゅうぎん総研


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 りゅうぎん総合研究所は8日、県の世帯数の将来推計に関する調査リポートを発表した。家族類型別では、2020年に23万世帯だった「単独世帯」が、15年後の2035年に28万6千世帯程度まで増加し、その後、減少に転じる見通しを示した。世帯総数に占める単独世帯の割合は2020年の37.4%から2035年に42.9%まで拡大する。同研究所は、核家族化や高齢化に加えて未婚率の上昇などが、単独世帯数を大幅に引き上げる要因になっていると分析した。

 同研究所は7月に発表した県の将来推計人口に関するリポートで、県内の総人口は21年をピークに減少が始まっているとの推計をはじき出している。この結果などを踏まえて総世帯数を推計すると、2020年の61万3千世帯から増加を続けて2035年に66万7千世帯程度でピークとなり、その後は減少基調に転じる。2050年には62万9千世帯程度まで減少する見通しを示した。

 県内の1世帯当たりの人数は、本土復帰前の1970年は4.18人で全国平均の3.41人を0.77人上回っていたが、2020年には2.33人まで減少し、全国(2.21人)との差も0.12人まで縮小している。

 家族類型別では多数を占める単独世帯に続き、「夫婦のみからなる世帯」も2020年の9万7千世帯から2040年には11万5千世帯まで増加し、2050年には11万4千世帯程度となる見通し。一方で「夫婦と子どもからなる世帯」は年々減少傾向にあり、2020年の16万8千世帯から2050年には12万9千世帯程度まで減少すると予想した。

 調査を担当した金城毅上席研究員は単独世帯の増加について、配偶者の死別や離婚で単身となる人に加え、生き方の多様化に伴い未婚を選ぶ人も昨今は増えていると指摘。人口減と高齢化、未婚化が同時進行することで、労働人口の不足だけでなく社会保障制度や財政の持続可能性にも影響を及ぼす可能性が出てくると分析した。

 その上で金城氏は「企業にはデジタル時代に対応できるよう、50代からのリカレント教育(学び直し)を強化したり、シングルマザーや外国人が活躍できる場の創出をしたりすることが期待される」と述べた。
 (当銘千絵)