「沖縄をハブとする東アジアの平和ネットワークをめざす国際シンポジウム」(同実行委員会主催)が8日、那覇市の県市町村自治会館で開かれた。日本と沖縄、中国、韓国からも専門家らが登壇し、沖縄を軸とした平和構築の可能性について議論した。
同実行委員会は、政党や団体などの違いを超えて自主的で平和な日本の実現を目指す「自主・平和・民主のための広範な国民連合」が主幹する。
沖縄の特性を生かし「平和のハブ」として、東アジアの国々との安全保障ネットワークを形成することを提唱する青山学院大の羽場久美子名誉教授は、台湾を巡る米中対立や、日米豪英などで進む対中封じ込め策の現状などを説明した。東西冷戦下で両陣営が参加し、課題について協議した全欧安保協力機構(CSCE)などを引き合いに「こうした取り組みが東アジアにも必要だ。政府レベルで難しければ、自治体や市民から取り組むべき」と訴えた。
琉球大の上里賢一名誉教授は米統治下の伊江島で非暴力の土地闘争を続けた阿波根昌鴻さんに言及。「辺野古での座り込みにも引き継がれている沖縄の伝統だ」と述べた。
オンライン参加した中国社会科学院日本研究所の楊伯江所長はアジア地域での軍拡競争について「地域の分断を生み、平和を愛する人々の共通の敵となる」と述べた。
オンラインで参加した韓国ポリテク大学のパク・サンチュル教授もアジア太平洋地域の自由貿易体制の現状を報告した。ほかに鳩山由紀夫元首相らも登壇したほか、玉城デニー知事もあいさつ文を寄せた。
(塚崎昇平)