9日に1回戦が行われた第104回全国高校野球選手権大会では、県出身・関係選手が躍動した。小学生時代に前田ホークスでプレーした親富祖凪人(なぎと)=二松学舎大付(東東京)1番右翼手=は、札幌大谷(南北海道)戦で値千金のサヨナラ打を放った。泊ファイトクラブや大矢ベースボールクラブ出身の金澤海斗=日大三(西東京)、那覇中出=は、聖光学院(福島)戦で5番遊撃手として出場。祖父母が名護市数久田出身の玉城陽希(はるき)=横浜主将=は、三重戦で4番捕手として投手をリードした。
甲子園大会に3季連続で出場する親富祖。昨夏からレギュラーだが、過去2大会は無安打に終わっていた。「夏に勝つためにやってきた」とこの日はサヨナラを含む3安打を放った。
金澤は四回、先頭で入った打席で四球を選ぶなどして進塁。後続の二ゴロの間に本塁を踏んで2点目を挙げた。しかしチームはその後に逆転を許し敗退。それでも「最後まで全力でプレーできてよかった」と胸を張った。
小倉全由監督の下で野球をするため沖縄を離れた。上京を後押しし応援してくれる家族や友人らに思いをはせ、「結果を出して恩返しをしたかった」と述べた。夢はプロ野球選手で「小さい子に夢を与えたい」とふるさとにエールを送る。
横浜市鶴見区出身の玉城は、選手宣誓で誓った通り全身全霊でプレーした。捕手、先輩、主将として2年生エース杉山遥希をリード。ピンチの場面で「安心して投げてこい」と声を掛けて完投に導いた。
祖父母の出身地である沖縄には親近感を抱いている。祖母の家に行くと方言が飛び交っていると言い、「時間ができたら沖縄に行きたい」と懐かしんだ。また「明るい笑顔を見せながら思いっきり野球をやっている姿を、沖縄の人に見せたい」と力を込めた。
(金良孝矢)