沖縄県名護市辺野古の新基地建設に伴う埋め立て用に本島南部の土砂採取が計画されていることに反対する遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松さんが9日、池田竹州副知事と面談し、国に土砂採取計画の撤回を求めるように要請した。沖縄の戦場化を回避するため、知事が国連の場で発信することも提案した。
具志堅さんは「防衛省は南部に(戦没者の)遺骨があると認識していたのに、南部地域からの土砂採取の計画を立てたこと自体が大きな過ちだ」と指摘。具志堅さんの元には、全国219の市町村議会からも遺骨土砂採取の反対を支持する声が届いているとし、県に対し、「人道にもとる、と国に撤回を求めてほしい」と訴えた。
また、台湾情勢の緊迫を受け、具志堅さんは「知事が、沖縄が戦場になるのを避ける行動や発信をするべき時だ」と述べ、国連人権理事会に関する会合などの場で訴えることを提案した。
池田副知事は「米中の対立で不測の事態が生じることがあってはならず、沖縄が攻撃目標になることは決して許されない。軍事対軍事はエスカレートしていく。こういう時こそ、対話と信頼関係の醸成が大事だと政府にも伝えたい。国連での要請の提案は私から知事に伝える」と答えた。
(中村万里子)