会員制の講演会組織「琉球フォーラム」(主宰・普久原均琉球新報社長)の8月例会が10日、那覇市のホテルロイヤルオリオンで開かれた。室伏由佳氏(アテネ五輪女子ハンマー投げ日本代表、順天堂大准教授)が「逆境に打ち勝つセルフマネジメント~アスリートの経験から」と題して講演した。
陸上競技女子ハンマー投げ日本記録保持者で、2004年アテネオリンピックにも出場した室伏氏は「スポーツでは最適な心のコンディションを保つことが重要だが、緊張や人との比較によって実力が出ないことがよくある」と話し、集中力を高める訓練を続ける必要性を指摘した。
室伏氏も大学時代にコーチだった父から心理面の弱さを指摘され、メンタルトレーニングに取り組んだ。練習時だけでなく日常生活でも「少し頑張れば手が届く目標(中間目標)」を設定し、とにかくクリアすることを続けた。「身近な目標を達成する癖をつけることで長期的な目標に挑む耐性ができる」と話した。
競技生活やアテネ五輪などの経験を振り返り、「自分で状況や思考をコントロールする力をつけるためには地道な訓練が必要だが、重ねた分だけ力になる。心は磨ける」と語った。
(赤嶺玲子)