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「セクハラ身の回りにあふれている」性暴力への怒り静かに訴え フラワーデモin沖縄3年 支え合いの場にも


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花束とメッセージを手に、フラワーデモに参加する人たち=11日午後7時16分、那覇市泉崎(小川昌宏撮影)

 性暴力の根絶を訴える「フラワーデモin沖縄」が11日で3年を迎えた。同日夜、那覇市泉崎の県民広場に23人が集まり、花を手にしてサイレントスタンディングで意思表示をした。

 デモは、2019年3月に4件の性暴力事件の無罪判決が相次いだことを機に、全国各地で毎月11日に開催されている。沖縄では同年8月11日に初開催され、約200人が集まった。スピーチやプラカードを持って静かにたたずむサイレントスタンディングで、訴えを続けてきた。

 19年冬から参加している宜野湾市在住の女性(47)は、「下の世代には性暴力や女性差別を残したくない。言わなければ、なかったことにされてしまう。本当は怒っているということをアピールしないといけない」と話した。

 デモの場は、意思表示の他に、同じ思いを抱えた人が集まって支え合う場にもなってきた。

 今回が2度目の参加となる米ニューヨーク在住の女性(72)は「訴えだけでなく、心の癒やしの場にもなっている。皆で集まれる場があるのは素晴らしいこと。言葉に出せない私たちがいるということを、サイレントで伝えることは意義深い」と話した。

 琉球大学の学生(21)は「同じ価値観の人がいるのはとても心強い。セクハラは身の回りにあふれているので、そこに怒っているという気持ちで参加している」と話した。

 主催者の一人の上野さやかさんは「一緒に立ってくれる人がいることがありがたい。被害に遭っても声に出せない人がたくさんいる。今後も続けて、まだ来たことのない人の居場所にできたらいいと思っている」と話した。次回のフラワーデモは9月11日に開催予定。

(中村優希)