南部土砂使用は「二重、三重に戦没者を冒涜」 ガマフヤー具志堅さん、ルポライター鎌田さんとの対話で指摘


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
鎌田慧さん(左端)との対話シリーズの2回目にゲスト登壇したガマフヤーの具志堅隆松さん(左から2人目)と木村紀夫さん=13日、都内の日比谷図書文化館

 【東京】ルポライター鎌田慧さんとの対話シリーズの2回目が13日、都内の日比谷図書文化館であり、ゲストに遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松さんらが登壇した。具志堅さんはDNA鑑定で国が戦没者を家族へ戻そうと方針を決めたさなか、防衛省が遺骨も混じる土砂を辺野古新基地に使えるかのような政策を示したことに「矛盾する政策に国民も気付き、国の姿勢を改めさせなくてはいけない」と指摘した。

 対話シリーズは、原発をなくす目的で設立したたんぽぽ舎(東京都千代田区)の主催。「沖縄と福島」からゲストを招いた。約80人が参加した。福島からは東日本大震災で父と妻、次女汐凪ちゃんを亡くした地域団体「大熊未来塾」の木村紀夫さんが登壇した。被災者の遺骨収集を続ける中で「原発も含め考えることをやめないための機会をつくり、大震災の教訓を千年後まで伝えたい」と話した。

 具志堅さんは名護市辺野古のキャンプ・シュワブ内にあった大浦崎収容所の犠牲者にも言及。「私の調べでは約300人が亡くなっているが、伝わる歌に『恨みは深し四百の 魂の眠る大浦に』というのがある。後の百人はどうなったか。今も埋葬遺骨がシュワブ内にある」と指摘。そこに南部土砂を使うとすれば「二重、三重に戦没者を冒涜(ぼうとく)する」と強調した。

 鎌田さんも名護市辺野古への新基地建設に南部土砂を使うとすれば戦没者を「もう一度戦場に駆り立てるような行為だ」と批判した。
 (斎藤学)