カブトムシの「お見合い会」 子どもたちが育てた成虫を持ち寄り 「命の尊さ知って」市民団体が開催 沖縄・浦添市


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オキナワカブトムシが交尾する様子を見守る子どもたち=浦添市伊祖の市立浦城っ子児童センター(提供)

 【浦添】「自然を感じて次世代につなげてほしい。子どもたちに」と話すのは、市民団体の沖縄イチムシ会会員でうらそえグリーンベルトプロジェクトメンバーの上里幸秀さん(64)=浦添市=だ。カブトムシの飼育や植物を育てるなどの自然体験を通して子どもたちに命の大切さを知ってもらいたいと、「カブトムシの森プロジェクト」を手掛ける。浦添市立浦城っ子児童センターでこのほど、子どもたちが自宅で育てた成虫のオキナワカブトムシを持ち寄り交尾させる「カブトムシの集団お見合い会」を開いた。

 子どもたちが持ち寄った雄・雌合わせて約30匹のオキナワカブトムシは、昨年9月に沖縄イチムシ会が幼虫を無償提供した。子どもたちは各家庭でカブトムシの成長を観察しながら成虫まで育てた。当日は雄と雌のパートナーを決め、交尾させた。ほとんどが成功したという。今後、子どもたちは産卵や卵から幼虫になる様子などを観察しながら育てていく。

 参加した金城幸羽真(こうま)さん(仲西小6年)は「このお見合いを繰り返していくことで沖縄固有のカブトムシがたくさん増えたらいいと思う」と話した。宮城りゅうたさん(浦城小3年)は「白色の幼虫から黒色のカブトムシになったのですごいと思った」と感想を寄せた。

 参加者は会終了後、浦添市仲間のカルチャーパークを訪れた。カブトムシが好むとされるモクセイ科のシマトネリコに肥料を与えるなどの育樹作業を行った。うらそえグリーンベルトプロジェクトなどが携わり、未来を見据えて豊かな森づくりを行っている。

 上里さんは「子どもたちが将来大人になり結婚して子どもができたら、自然の森で採れるようになったカブトムシを自分の子どもたちに示して『この森はお父さん、お母さんが子どものころに育てた森だよ』と誇りに思えるようになってほしい」と語った。
 (中川廣江通信員)