新型コロナウイルスの入院患者を受け入れる沖縄本島の重点医療機関で、病床使用率が4日連続100%を超えている。重点医療機関は7月25日から始まった「緊急フェーズ1」に基づいて病床を増やし、本島では765床を目標値として入院患者を受け入れている。しかし、県が病床使用率を算出する際は、分母の病床数を129床少ない「医療フェーズ5」(同636床)で計算しているため、100%を超えている。
警戒レベルには、医療フェーズ1~5とさらにその上の緊急フェーズ1~3がある。数字が高いほど警戒レベルも高まる。県が医療フェーズ5で換算するのは、病床を十分に確保できていない医療現場の厳しい実情を県民に伝える目的がある。各重点医療機関では、一般医療を制限してコロナ患者を受け入れる緊急フェーズ1に移行した。しかし、医療従事者の欠勤者数は連日千人超となり、入院調整が困難な状態が続く。一部の医療機関はコロナ専用病床を目標値まで増やせないため、県の担当者は「医療フェーズ5が一般的に最大限確保できる数値」と、非常事態への対応の難しさを語る。
また、医療機関にとって緊急フェーズ1で病床使用率を算出した場合、17日は県全体で79・2%となり、県発表の医療フェーズ5の93・2%より14ポイントも減少する。担当者は「これでは病床に余裕があるように見える。県民の感染対策の緩みにつながりかねないので、医療の実情を示す指標で発表している」と説明した。
(嘉陽拓也)