興南が17年ぶり頂点 県高校野球新人中央大会 町田が八回に値千金の三塁打


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北谷―興南 8回2死一、二塁、左中間へ逆転の2点適時三塁打を放つ興南の町田宗治=17日、タピックスタジアム名護(大城直也撮影)

 高校野球の第49回県新人中央大会は17日、名護市のタピックスタジアム名護で決勝を行い、興南が北谷を4―3で破り17年ぶり5度目の優勝を果たした。興南は初回に1点を先制したが四、五、七回に1点ずつ返され逆転を許した。しかし八回に途中出場の町田宗治(しゅうじ)の2点適時三塁打で勝ち越した。興南は石川県で行われる親善交流試合(27、28日)に派遣される。今大会で4強入りした興南、北谷、沖縄尚学、ウェルネス沖縄は第72回県秋季大会(9月3日~10月2日)でのシード権を獲得した。新人中央大会は新型コロナの影響で一昨年、昨年と中止が続いていた。開催は3年ぶり。

 失策やバッテリーエラーなどで相手にリードを奪われた興南だったが、七回に途中出場した8番町田宗治(しゅうじ)の一振りが勝利をたぐり寄せた。新型コロナの陽性から2日前に練習復帰したばかり。試合後、町田は「周りに迷惑をかけたが、プレーで恩返しできた」と晴れ晴れとしていた。

 チームは初回に幸先よく1点を先制したが、四球や失策、暴投などが絡み七回までに勝ち越された。嫌な流れを変えようと我喜屋優監督は、3点目を取られた直後の七回1死一塁でバッテリーを交代。期待通りに後続を断ち、その時にマスクをかぶったのが町田だった。

 この夏の甲子園の応援に同行したが、現地でコロナ陽性が発覚し10日ほど隔離された。新人大会決勝2日前から練習に参加するも、体力を消耗し熱中症になりかけた。それでも夜間にバッティング練習を続け実戦に備えた。

 1点を追いかける八回2死一、二塁の打席でその努力が実る。2球目の外角直球を逆方向の左中間に運び、走者を一掃する値千金の三塁打となった。甲子園は初戦で敗れたが「先輩たちの分まで頑張りたい」と先を見据える。ここから新チーム興南の戦いが始まる。
 (金良孝矢)