沖縄県知事選予定3氏討論 沖縄観光、早期回復へ 具体策提示でアピール


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観光マニフェスト発表会に臨む知事選立候補予定の(左から)佐喜真淳氏、下地幹郎氏、玉城デニー氏=18日、那覇市のパレット市民劇場

 25日告示、9月11日投開票の県知事選に向けて、「沖縄観光の未来を考える会」(金城仁代表理事)は18日、立候補を予定する現職の玉城デニー氏、前宜野湾市長の佐喜真淳氏、前衆院議員の下地幹郎氏を招いた「観光マニフェスト発表会」を那覇市のパレット市民劇場で開催した。3氏は新型コロナウイルス禍で深刻な打撃を受ける観光について、早期回復に向けた政策などを訴えた。

 佐喜真氏は、現県政が観光事業者との意見交換の場を十分設けてこなかったとして「行政と事業者との信頼関係は崩れてしまっている」と批判。県庁内に観光に関する特別組織を立ち上げるほか、観光関連産業を中心に1千億円規模の予算を投じ、支援制度創設に取り組む考えを示した。

 下地氏は、現在の沖縄振興計画に観光に関する政策が書かれておらず「リーディング産業なら法律に明記すべきだ。自民党も県政もやっておらずそこに問題がある」と主張。富裕層来訪やホテルに対する改修時の税制優遇、医療ツーリズム促進といった観光立県に向けた具体策を提示した。

 玉城氏は「世界から選ばれる持続可能な観光地の形成を掲げ、政策を展開する」と強調。SDGsの考えに沿った観光やAIなどの技術を活用した高付加価値化、沖縄ブランドを活用したツーリズム推進で、年間の観光収入1兆2千億円、延べ宿泊数4200万人の目標に取り組むとした。

 観光人材の育成に関して、玉城氏は歴史文化への理解を深める研修実施やインターンシップ促進、女性のキャリア形成促進などを掲げた。佐喜真氏は所得向上や非正規の正規化、女性が働きやすい環境作り、専門学校や大学の誘致などを挙げた。下地氏は観光人材の育成を法律に明記することや、沖縄高専や専門学校への観光学科設置などを訴えた。 (’22知事選取材班)