対馬丸記念館(沖縄県那覇市若狭)を拠点に活動するつしま丸児童合唱団は20日、対馬丸戦没者の慰霊碑「小桜の塔」を訪れ、追悼歌の合唱と詩の朗読を行った。花と水、お菓子を手向け「失った多くの命の教えを胸に、平和の歌声をつないでいきたい」と誓いを宣言した。
新型コロナウイルス拡大防止で対馬丸慰霊祭の縮小が続いているため、合唱団独自に歌をささげようと実施。卒業生や那覇少年少女合唱団も駆け付けた。
対馬丸記念会の役員と保護者が見守る中、垣花小5年の花岡蓮さん(11)がこの日のためにつくったという詩を朗読。全員で誓いを読み上げ、「小桜の塔」「海の子守唄」などを合唱した。「歌や詩が対馬丸の子どもたちに届くといい」と願った花岡さん。同小の別の児童(10)は「対馬丸の子どもたちのことを思って心を込めて歌った」と話した。
その後、団員は記念館に戻り、それぞれの誓いを文章にまとめた。糸満南小の児童(11)は「戦争は人の平和と命と心を奪う。二度と起こらないよう声を上げたいと記した」と語った。
今年の対馬丸慰霊祭は昨年と同様、新型コロナ拡大防止のため、来賓や遺族を招かず、記念館の職員で法要のみを行う。
(新垣梨沙)