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家族全員コロナ感染<伊是名夏子100センチの視界から>129


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 家族4人全員、新型コロナに感染してしまいました。7月のある日、お昼過ぎに帰ってきた息子が夕方ごろからどことなく静か。「どうしたの? 気分悪い?」と聞いても「別に」と答えるだけ。夕飯を食べ終わっても元気がないので「ためしに熱でも測ってみよう」と促したら「38.5度」。すぐに息子を一人部屋に移し、家族全員マスクをしたのですが、その前に歯の仕上げ磨きもやっていたし、もうあまり隔離の意味がなさそうだと感じながら、一晩を過ごしました。翌朝、小児科でのPCR検査は陽性でした。

 その翌日、娘と私が発熱し、腕や足がとにかく痛い。夫は激しい頭痛が。息子を診察した病院に電話をし、家族全員みなし陽性に。病院にかかりづらい中、電話一本で陽性報告ができるのはよかったです。

 私は重症化のリスクがあったので、主治医と連絡を取り合い、コロナの内服薬を飲むか話し合いました。アメリカでは、私の障害で重症化した人はいなかったというデータがあり、水分も取れ、呼吸も苦しくなかったので飲まないことに。ただせきが出てくると骨が痛くなりきついので、せき止めの漢方だけはすぐに飲み始めました。

 子ども2人は3日間38度台が続き、その後、せきやたんはありましたが元気に。私は38~39度の熱が5日間続き、結構つらかったのですが、解熱後は少しずつ楽になっていきました。心配していたせきも、薬のおかげかそこまでひどくはなりませんでした。体力がかなり落ち、ずっと眠かったのですが、10日の隔離期間が終わる頃にはだいぶ回復しました。しかし2カ月以内は後遺症が出ることも多いと聞き、ネットで検索すると、とても不安に! 息苦しくもなるので、なるべく検索しないことにしました。

 ヘルパーさんも入れられない、入れるなら防護服を着てもらい、万全の態勢でやってもらうしかないと思っていたのですが、2週間前に罹患(りかん)したヘルパーさんが一人いたので、1日1回入ってもらい本当に助かりました。

 隔離期間中に迎えた子どもの誕生日。友だちが差し入れしてくれたバルーンを飾り、ベランダでバーベキューをし、Uberでケーキを頼み、どうにかお祝いできました。

 2年半、感染対策に気を付けていたのに、かかる時は一瞬、そして家庭内感染を防ぐのは相当厳しいと感じました。しばらくはできるだけ無理せずに、意識的に休む時間をつくり、ゆっくり過ごしていきたいです。


 いぜな・なつこ 1982年那覇市生まれ。コラムニスト。骨形成不全症のため車いすで生活しながら2人の子育てに奮闘中。現在は神奈川県在住。