Tシャツに「No War」 ブランドを立ち上げた那覇高校生の平和への思い 「発信から行動へ」売り上げの一部をウクライナ支援に寄付


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「洋服でかっこよく平和を発信したい」と話す實近陸さん(左)と前泊亮介さん=22日、那覇市の日本赤十字社沖縄県支部

 那覇高校の生徒4人で結成したTシャツブランド「Rêveuse―レブーズ―」は、オリジナルTシャツの販売を通して平和への思いを発信している。3月から販売を開始し、売上金の一部を22日、日本赤十字社の「ウクライナ人道危機救援金」へ寄付した。「発信だけでは足りないから実際の行動に移そう」と、寄付を行った。

 ブランドの名前「Rêveuse―レブーズ―」はフランス語で夢見る少年という意味。メンバーの1人、實近(さねちか)陸さん(17)は「ネットやSNSで簡単に何かに挑戦できる環境はあるが、自分も含めて若者が挑戦できていない」と感じていた。若い人たちに「少しでも夢も見てほしい」との思いを込めた。

 オリジナルTシャツには「No War」の言葉が入っている。授業などで沖縄戦の話を聞いてきたメンバーたちは、「沖縄戦は経験してないが、話は聞いてきた。若い人に平和の思いを伝えていきたい。洋服でかっこよく発信したい」と意欲を見せる。

 ロシアとウクライナの戦争を目の当たりにして「発信だけでなく行動を」と今回の寄付に踏み切った。前泊亮介さん(18)は「少しでも早く戦争が終結し、1人でも多くの命が助かってほしい」と思いを話した。今後も売上金の一部を「ボランティア活動や平和の活動に使いたい」と展望を語る。

 Tシャツのデザインは授業中にノートに描いた落書きなどから生まれた。落書きの特徴を埋め込んでデザインしたという。販売当初は周知が行き届かず、なかなか売れなかった。SNSなどを活用してだんだん購入されるようになった。

 メンバーは全員高校3年生。販売の難しさを経験したことは、進路にも大きな影響を与えた。實近さんはビジネスやマネジメントにも興味を持ったという。「経営学をやってみたい」と自分の進路を見つめた。伝える力の重要性にも気付き「コミュニケーションも学んでみたい」と視野が広がったようだ。

 レブーズの活動はインスタグラムやTikTokなどのソーシャルメディアで確認できる。
 (金盛文香)