電気料高騰「業者支援を」 経済12団体、沖縄県に要請


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電気料金の負担軽減に向け、県経済団体会議の要請書を照屋義実副知事(左)に手渡す県経営者協会の金城克也会長(右)=23日、県庁

 燃料費高騰に伴い事業者向けの電気料金が一部値上げされることを受け、沖縄県内の企業はコストのさらなる高騰へ危機感を強めている。県内経済12団体で構成する「県経済団体会議」(石嶺伝一郎議長)は23日、県庁で照屋義実副知事に対し、大幅な負担増加が見込まれる電力使用者への財政支援を要請した。「コロナ禍からの回復を目指す県内の経済活動に深刻な打撃を与える」と訴え、対応を求めた。

 石油や石炭、液化天然ガス(LNG)といった燃料価格の上昇を受けて、沖縄電力は7月、工場やスーパー、商業施設が主な対象となる高圧以上の自由料金メニューの上限を廃止すると発表した。既に対象となる事業者への説明を始めており、11月以降の値上げへの協力を呼び掛けている。2023年4月からは一律で上限廃止に踏み切る。

 照屋副知事に要請書を手渡した県経営者協会の金城克也会長は、燃料価格の高止まりが今後も続く見通しであることに触れ「コロナで疲弊した観光産業を中心に、沖縄経済は厳しい。経済界とも連携して(支援を)進めていただきたい」と語った。

 コロナ禍や原材料価格の上昇などの影響が長期化し、企業経営を取り巻く環境は厳しさを増している。要請の出席者からは「中小企業は原料高騰の上に、今後最低賃金が上がれば経費も増える。そこに電気料金が上乗せされれば経営が立ちゆかなくなる」と瀬戸際の状況を訴える声が上がった。

 照屋副知事は、県の補正予算で原油価格や物価高騰に対する支援策を講じてきたことや、18日にあった全国知事会で、玉城デニー知事から電気料金高騰の対応策の必要性を挙げたことを説明。「県単独での支援は困難で、国に対しても必要な政治的要請について間断なくやっていきたい」と応じた。
 (與那覇智早、當山幸都)