【相関図あり】沖縄知事選、3陣営への支援の枠組みは? 政治環境に変化、構図も複雑に


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(左)玉城デニー氏 (中央)佐喜真淳氏 (右) 下地幹郎氏

 9月11日投開票の県知事選は25日の告示が目前に迫り、各陣営の支援枠組みが固まった。事実上の一騎打ちとなった2018年の前回選と同様、今回の知事選でも労働組合の多くは現職の玉城デニー氏を支持、経済界は、主要12団体のうち、6団体が前宜野湾市長の佐喜真淳氏の推薦を決定した。一方、前回選以降の4年間で県内の政治環境は刻々と変化しており、前衆院議員の下地幹郎氏の立候補で、政党、労組、経済界の関係構図は複雑化している。
 

■経済界
 

 経済界は主要団体のうち6団体が佐喜真氏を推薦、県経営者協会や沖縄経済同友会は、会員内で「有志の会」を結成し佐喜真氏を支援する。

 21年衆院選の沖縄1区は、自民党の国場幸之助氏と下地氏が立候補し、県内最大手建設会社の国場組、下地氏の兄が会長を務める大米建設が「保守合同を実現し沖縄の未来を創る会(保守合同の会)」を結成し、下地氏支援へと回った。

 一方、国場組、大米建設ともに、今回知事選は佐喜真氏を支援する方針で、県建設業協会の政治団体「県建設産業政策推進連盟(県産連)」も佐喜真氏を推薦した。さらに、前回知事選で「オール沖縄」を支援した金秀グループのうち、今回の知事選では金秀建設が佐喜真氏に推薦を出した。金秀鋼材や金秀アルミなど建設関連の6社も、佐喜真氏を支援する。

 経済界は佐喜真氏支援が大勢の見通しだが、一部企業は下地氏を支援する動きをみせている。各種団体や企業グループ内の「まとまり」が焦点となる。
 

■労働組合
 

 県内の主要労働組合のうち、11の組織が玉城氏を推薦した。二つの組織は、玉城氏を推薦している最大組織「連合沖縄」の方針に沿って対応するとしており、13の労働組合が玉城氏支援で一致している。沖駐労は唯一、佐喜真氏を推薦した。

 連合沖縄の東盛政行会長は「政策面でも対応してもらっていたので、支援を決めた。構成組織にはそれぞれに、判断を委ねている」と玉城氏を推薦した理由を説明。労組の多くは、米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設反対や、福祉施策などを評価した。経済団体や労組の枠組みが決まる中、選挙期間中は、無党派層を含めた浮動票の行方が焦点となりそうだ。

(’22知事選取材班)