沖縄県と中華航空(台湾)、ヤマト運輸(東京)は25日夜、中華航空の旅客機エアバス330型機を利用し、那覇―台北(桃園)間の貨物専用の復便を実施した。石川県産の魚類など約45キロや、県産の野菜、果物など計約10トンを飛行機に詰め込んだ。同区間の復便は3月以来2回目となる。
新型コロナの感染拡大を受け、那覇空港発着の台湾直行便は貨物を含めて運休状態となっている。現在は県産の農産物などを羽田を経由して輸送しているが、飛行時間だけでも6時間以上のロスが生まれている。
今回は沖縄発の貨物だけではなく、県が掲げる「沖縄国際物流ハブ」の構想に基づき、石川県発の魚類を全国から沖縄を経由する「本土発貨物」として輸送した。
旅客機に貨物を積載することにより、貨物運輸の利益も得られる。集客が上手くいかずに沖縄への就航を見送っている海外航空会社の早期の旅客便復便にもつながることが期待される。
ヤマト運輸の梅津克彦執行役員は「沖縄からの輸送は、農産品などを短時間でフレッシュなままに届けられるのがメリットだ」と沖縄の地理的利点について話した。
中華航空沖縄支店の魏麟孫(ウェイリンスン)支店長は「沖縄の物流に貢献できればうれしい。旅客便も早期復便を願っている」と話した。
ヤマト運輸はニーズににもとづき、年度内に4~5便の運航を検討している。
(與那覇智早)