来年8~9月に日本、フィリピン、インドネシアの3カ国で初めて共催されるバスケットボール男子のワールドカップ(W杯)は、25日で開幕まで1年。日本でのW杯は、前身の世界選手権を2006年に開いて以来で、今回は競技熱の高い沖縄県を唯一の会場とし、世界最高峰の戦いが繰り広げられる。24年パリ五輪予選を兼ね、日本もアジア最上位に与えられる五輪切符獲得に挑む注目の大会だ。
熱戦の舞台となるのが昨年完成し、充実した設備が評判の沖縄アリーナ(沖縄市)。バスケットでは約8千人収容で、臨場感あふれる観客席や510インチの巨大映像装置など、本場米国のアリーナのような雰囲気を持つ。
日本協会の浜武恭生事務総長は「世界のプレーをこんなに近くで見られるのか、と思うはず。(W杯を通じ)こういうアリーナが日本にできたんだと、見て感じてもらえたら」と会場のハード面も魅力だとアピールする。
参加32チーム中、沖縄にやってくるのは日本を含む8チーム。1次、2次リーグと順位決定戦の計20試合が組まれている。日本は米プロNBAウィザーズで活躍する八村塁や、昨季ラプターズでプレーした渡辺雄太らの参戦が期待される。予選を経て来年2月に出場チームが出そろい、4月に組み合わせ抽選を実施予定。NBAのスター選手が各国代表として来日する可能性も十分にある。
今年5月に日本復帰50年を迎えた沖縄は米軍基地の影響もあり競技が盛んで、Bリーグの琉球ゴールデンキングスはリーグ随一の人気を誇る。大会組織委員会の中村彰久事務局長は「沖縄にはバスケットが見るスポーツとしても、やるスポーツとしても根付いている。(W杯開催地として)非常にはまった」と話す。
目標は「全試合満席」(浜武氏)。今後はPRに力を入れ、チケット販売では価格を需要と供給に応じて柔軟に変動させる「ダイナミックプライシング」(価格変動制)も導入する方針だ。
(共同通信)