那覇空港で2020年に起きた日航機トラブル「部品検査が不十分」 運輸安全委員会が報告書


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那覇空港(資料写真)

 運輸安全委員会は25日、2020年に那覇発羽田行き日航904便ボーイング777で左側エンジンの部品が破損した重大インシデントの調査報告書を公表した。

 「ファンブレード」と呼ばれる羽根状の部品の検査が不十分で、破断につながる小さな亀裂を発見できないまま運航を続け、疲労破壊したとしている。

 トラブルを起こしたエンジンは米プラット・アンド・ホイットニー(P&W)社製。報告書によると、ブレードの製造時に溶けた小さな金属が付着してもろくなり、亀裂が生じたとみられる。検査はP&Wが実施する特別なもので、同様の事例が過去になく、従来の検査手法と実施間隔では亀裂を見つけられなかった。

 再発防止策として、P&Wは間隔を大幅に短縮し、新たな検査も追加で実施することを決めた。

 トラブルは20年12月4日に発生。那覇空港を離陸後に引き返し、緊急着陸した。乗客乗員189人にけがはなかった。ブレードの破損でエンジンを覆う部品「カウル」の一部がなくなり、胴体や水平尾翼も損傷した。
(共同通信)