保護のヤンバルクイナ、元気に森に帰る 交通事故に遭い保護、関係者ら「速度守って」呼び掛け 沖縄・国頭村


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交通事故のけがから回復してやんばるの森へ放鳥されるヤンバルクイナ=11日、本島北部

 【国頭】環境省やんばる自然保護官事務所は11日、沖縄県国頭村で交通事故に遭い保護された、ヤンバルクイナ1羽(メス・成鳥)を、救護地点付近に放鳥した。事務所職員や治療したNPO法人どうぶつたちの病院沖縄の職員などが見守る中、元気にやんばるの森へ戻った。

 ヤンバルクイナは3日に国頭村奥の新城智さん(70)が発見した。同村安田の県道70号線に横たわっていた。新城さんは環境省やんばる野生生物保護センターへ救護を依頼した。

 通報があった時間帯に、近隣にどうぶつたちの病院沖縄の獣医師がいたため個体を保護して治療した。どうぶつたちの病院沖縄の中谷裕美子獣医師は「救護者からの通報が素早く、救護から治療の時間が短く済み、順調に回復できたと思う」と話した。

 放鳥に立ち会った新城さんは「こうやって元気に放鳥できるのは感無量で最高の気分です。いつまでも元気でいてほしい」と話し、希少生物のロードキルへの注意も呼び掛けた。環境省やんばる自然保護官事務所の吉川紀愛さんは「放鳥したヤンバルクイナがすごい勢いで駆けていき安心した。交通事故に遭ってしまうと、後遺症がひどくて野生に戻ることができない個体も多く見られる。ロードキルを防ぐために制限速度を守って走行をお願いしたい」と話した。

 交通事故を起こした場合や事故に遭った希少動物を見つけたら、速やかに関係機関に連絡するよう呼び掛けた。連絡先は環境省やんばる自然保護管事務所(電話)0980(50)1025。NPO法人どうぶつたちの病院沖縄(電話)090(6857)8917。 

(新城高仁通信員)