観光収入17%増2924億円 県21年度 1人当たり消費減9.1万


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 県文化観光スポーツ部は30日、2021年度の観光収入の試算値が前年度比17.7%(439億円)増の2924億円だったと発表した。観光客1人当たりの県内消費額は前年度比8.4%(8401円)減の9万1555円となった。

 観光収入は3年ぶりの増加となったものの、新型コロナウイルス拡大前の2019年比では58.5%(4123億円)減と、厳しい状況が続いている。

 観光客1人当たりの消費額は、コロナ前の19年度比で23%(1万7130円)増となり、2年連続で高い水準を保っている。

 20年度よりも1人当たりの消費額が減少した理由について、県の担当者は「20年度は政府の観光支援事業『GoToトラベル』の影響で高額なリゾートホテルに宿泊する観光客が多かったのに対し、21年度は行動制限の緩和から出張や帰省、一人旅など消費額の低い層の入域も増えたため、減少した」と分析した。観光客へのアンケートでは「GoToトラベル」による割り引き前の金額を記すよう注意書きを設けていたため、20年度は実際の支払い額よりも多い金額が反映されている可能性も考えられる。

 項目別に見ると、最も消費額が多いのが宿泊費で3万2700円、次いで飲食費の1万9231円となった。

 平均滞在日数は4.42日と、前年度比で0.25泊の増加となった。19年度比でも0.72泊増で、3年連続で増加している。調査に使用したアンケートの回答者数は5592人だった。

 合わせて22年4月~6月の観光収入と人泊数の概況を発表した。観光収入は対前年同期比2.8倍の1281億円、人泊数は同2.2倍の376万人泊だった。1人当たりの県内消費額は同36.7%増の10万2144円だった。 (與那覇智早)