高齢者ら避難、不安な夜 台風11号 南北大東村、記録的暴風備える


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
避難者用の簡易ベッドを組み立てる南大東村役場の職員ら=30日、同村多目的交流センター(池田羊子通信員撮影)

 南大東村と北大東村の住民らは、台風11号接近前の30日午後から港の船を固定したり、住宅に防風ネットを張ったりして台風襲来に備えた。沖縄気象台によると「一部家屋が倒壊する恐れがある」ほどの記録的な暴風となる見込み。避難所には高齢者らが訪れ、不安な夜を過ごした。

 南大東村役場の職員は、住民の避難に備えるため大わらわになった。村多目的交流センターには段ボールの簡易ベッドを設置し、カップラーメンなどを用意した。

 北大東村の社会福祉協議会に避難してきた高齢の女性は、木造住宅に一人暮らしだといい「1人では怖いから来た。社協は建物も頑丈で安心。これからもっと(避難して)来るはずよ」などと話していた。宿泊施設のハマユウ荘うふあがり島には、午後8時ごろまでに家族連れなど16人が避難しているという。

 大東島地方に台風が接近するのは約2年ぶり。北大東村役場の職員は「島内には古い木造住宅が多く残っている。久しぶりの台風なので心配だ」と不安そうに話した。(稲福政俊まとめ)