コロナや医療、3候補の対応と主張は?<22年沖縄知事選・政策点検>4


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 2年以上にわたり断続的に全国で猛威を振るう新型コロナウイルス。感染拡大で県内の医療体制が逼迫(ひっぱく)する状況で選挙戦が展開されている今回の知事選では、各候補の新型コロナ対策への有権者の関心も高い。前衆院議員の下地幹郎氏(61)、前宜野湾市長の佐喜真淳氏(58)、現職の玉城デニー氏(62)は深刻な打撃を受けた経済回復策とともに、感染症に強い沖縄づくりに向けた施策も多く並べている。

 下地氏は観光客らを対象にした空港での「全員PCR検査」実施による水際対策徹底や、県民がいつでも無料で検査を受けられる環境をつくることによる陽性者の早期発見体制整備などを掲げ、「感染症に強い、安心・安全な島」とのブランドイメージ確立を図るとする。

 佐喜真氏は今後も同様の感染症が流行すると見据えて、日本版CDC(感染症対策センター)設置を公約とする。全国で最も低い新型コロナワクチンの3回目接種率を「現県政の怠慢だ」と批判した上で、市町村との連携強化による接種率向上に取り組む考えを示している。

 玉城氏は抗原検査キット配布や入院待機ステーション、大規模ワクチン接種会場設置など、これまでの取り組みを強調する。県外からの流入を防ぐため、沖縄に向かう出発地の空港や港湾での検査実施や、米軍人などに対し検疫法適用に準じた措置を国に求めていくとしている。

 新型コロナに関しては感染症法上の位置付けを、入院勧告などの措置がある現在の「2類相当」から引き下げるべきだとの議論もある。一方で本紙の政策アンケートでは現在の感染拡大を抑えることを優先させる観点などから、現状での引き下げに賛同する候補者はいなかった。

 医療・福祉政策として、下地氏は予防医療徹底のほか、高齢者へのタクシークーポン支給による外出促進などを掲げる。佐喜真氏は中部病院の早期建て替え促進や処遇改善による介護サービス充実などを進めるとする。玉城氏は県内大学への薬学部設置や発達障がい者・医療ケア児への体制拡充などを公約とする。

(’22知事選取材班)