7月に愛知県で開催された第17回若年者ものづくり競技大会(主催・厚生労働省、中央職業能力開発協会)のフライス盤職種で、南部工業高校2年の長田聖也さん(17)が金賞・厚生労働大臣賞を受賞し、全国一に輝いた。この職種の金賞獲得は県内初。長田さんは「信じられない思いだ」と笑みを見せた。
フライス盤は刃物を回転させ、金属などを切削加工する機械。大会では3時間の競技時間内で、与えられた課題の図面に沿って金属を加工し、各部品の寸法や組み立ての精度、出来栄えを競う。
競技は0.01ミリ単位で加工する。同校機械工作部の長田さんは、昨年12月から加工技術を磨いた。平日2時間の練習に加え、他の人の作業動画を見て自身の改善点を探るなど技術を追求した。
2月の県内選考会を経て、今大会に県代表として出場。夜中に目が覚めるなど緊張もあったが、当日は「練習に来た気持ち」でリラックスして挑んだ。100点満点中90点台の高得点を獲得。指導した真境名隼人教諭は「集中力と精神力を維持し、素晴らしい結果を残した」とたたえた。
長田さんは、大会2連覇や技能五輪出場を目指し「より美しいものができるよう、自分の手順を見直し、無駄のない動きを獲得したい」と前を見据えた。
(吉田早希)