子どもの貧困や少子高齢化、3候補の対応、主張は?<22年沖縄知事選・政策点検>5


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 全国で最も深刻とされる沖縄の「子どもの貧困」は、県政の最重要課題の一つだ。今回の知事選に出馬する前衆院議員の下地幹郎氏(61)、前宜野湾市長の佐喜真淳氏(58)、現職の玉城デニー氏(62)も力を入れる政策課題として位置付け、対策を打ち出している。

 本紙は政策アンケートで子どもの貧困解消に向けた短期施策と長期施策をそれぞれ聞いた。

 短期施策として、下地氏は子どもの居場所やDVシェルターを兼ね備えた母子生活支援施設の増設、財政支援の拡充に取り組むとする。

 佐喜真氏は目玉政策とする「子ども特区」導入による給食費や保育費、子ども医療費の無償化実現などを提示する。

 玉城氏も同様に学校給食や医療費などの無料化を掲げるほか、児童相談所の充実や特別支援学校の新設などを挙げた。

 長期施策としては3氏とも、子どもの貧困の連鎖を断ち切るための世帯の所得確保策が求められるとの認識で一致する。

 下地氏は重要な公約に位置付ける教育費の完全無償化に加え、沖縄版ベーシックインカム制度導入を進めるとする。

 佐喜真氏は生活困窮者などへの自立支援強化やライフステージに応じた保育・教育、キャリア・就労支援を図るとする。

 玉城氏は子どもや若者の居場所整備などのほか、県内企業の雇用機会拡大や賃金上昇を支援する考えを示している。

 全国でも数少ない人口増加地域の沖縄県だが、近い将来、人口減少に転じると予測されており、県政トップには少子高齢化への対応が問われる。

 下地氏は教育費の完全無償化で子育て世代の可処分所得が増加し、出生率が上昇することで、長寿社会を支える人材増加につながると訴える。

 佐喜真氏はライフステージごとの支援充実や移入世帯受け入れに向けた取り組み推進、地域の公共交通機関の支援に取り組むとする。

 玉城氏は安心して子育てできる環境づくりが必要として子育てや労働環境の整備を進めるとし、高齢者が暮らしやすい地域づくりも掲げる。

(’22知事選取材班)