政治姿勢、3候補の政権との距離感や憲法改定への考えは?<22年沖縄知事選・政策点検>6


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設計画など基地問題を背景に、沖縄県政は常に政権との距離感を問われている。今回の知事選に立候補する前衆院議員の下地幹郎氏(61)、前宜野湾市長の佐喜真淳氏(58)、現職の玉城デニー氏(62)に岸田文雄政権に対する評価を聞くと、政権与党の支援を受ける佐喜真氏が「評価する」とした一方で、下地氏、玉城氏は「評価しない」と評価は割れている。

 下地氏は2022年度の沖縄関係予算が前年度比で約300億円減額されたことを踏まえ「(沖縄の日本)復帰50年の節目だ。沖縄いじめが過ぎる」と批判する。

 佐喜真氏は安全保障環境の変化への対応を評価。「しなやかで強い沖縄経済の構築に向けてさらなる取り組みを求める」と政府との連携姿勢をアピールする。

 玉城氏は沖縄振興計画改正などへの対応に謝意を示しつつ「民意を無視して新基地を強行」しているなどと批判。閣僚と旧統一教会との関係性も指摘する。

 憲法改定については下地氏、佐喜真氏が「現憲法を基軸にした条文の追加・見直し」の考えを示す一方、玉城氏は「憲法を変える必要はない」とする。

 下地氏は時の政権に左右されない恒久的な教育の無償化のために、憲法に挿入する必要があると理由を説明する。

 佐喜真氏は国民的な議論を前提に自衛隊の憲法明記や緊急事態への対応などに関する規定変更が必要だとの考えを示す。

 玉城氏は沖縄では民主主義や地方自治も尊重されていないとの認識を示し、まずは憲法理念を実現すべきと主張する。

 9条改定の賛否には下地氏が「どちらでもない」、佐喜真氏が賛成、玉城氏が反対の立場で三者三様の考えを示す。

 世論の関心が高まる選択的夫婦別姓の導入については、下地氏は「国際情勢や人権の観点から反対する明確な理由がない」として賛成の立場を取る。

 佐喜真氏は「憲法解釈や国際的な動向を含め、さらなる国民的議論を深めるべきだ」とする。

 玉城氏は「女性の姓の変更を事実上強要されることはジェンダー平等に反する」として賛成する。

(’22知事選取材班)

 (おわり)