SNSアンケート モバイルプリンスの知っとくto得トーク[274]


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モバイルプリンス

 

SNSのアンケート機能を使ったことはありますか? 例えば「夏休みの宿題終わった人?」と質問すると、見た人が「はい」「いいえ」などの選択肢に回答できるというものです。

アンケート終了後は結果を見て楽しむことができます。友達と交流のきっかけとして使ったり、タレントがファンからの要望に応えるために活用したりするなど、プラスの使い方もできる一方、社会問題などを扱うアンケートには注意が必要です。

 

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先月17日、雑誌・月刊「Hanada」のTwitter公式アカウントが「あなたは安倍元総理の国葬についてどう思いますか?」というアンケートを投稿したところ、60万を超える多くの回答がありました【※1】

安倍元首相の国葬に関しては、賛成・反対さまざまな意見が出ており、多くのメディアが賛成・反対の割合を調査しています。

一般的なメディアの世論調査では「無作為抽出【※2】」などの方法を使い、回答する人が偏らないよう工夫しますが、SNSでのアンケートでは「そのアカウントをフォローしている人、仲がいい人」ばかりが回答するので、一般的なメディアの回答結果とは大きくずれることがあります。

 

※1 多くの回答がありました … これだけ多くの回答があった背景には、多くの著名人・政治家の呼び掛けがあったからでしょう。自分たちの望んだ結果になるようSNSで積極的に発信しました。しかし、結果がどうであれSNSでのアンケートは偏りが生じます。月刊「Hanada」Twitterアンケートの結果は「賛成51.1%」「反対43%」「どちらともいえない5.9%」でした。

※2 無作為抽出 … 例えば沖縄県民全体の意見を調べたいのに、特定の地域の人だけ・特定の年齢の人だけをピックアップすると回答が偏ってしまいますよね。そうならないよう、無作為抽出では実際の沖縄の地域人口・年齢などの割合に沿って回答する人を決めてもらうようにするのです。

 

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例えば、Twitterでのアンケート回答数が1万5千票、無作為抽出での回答数が1500人だった場合、回答数に10倍の差があるため前者の方がより正確だと感じてしまうかもしれません。

しかし、偏りのある1万5千よりも、偏りのない1500の方が世の中全体の意見を見ていく上では重要です。

今後アンケート・調査結果と接する際は、必ず「どう集計・調査したのか」を確認し、その上で判断するようにしましょう。

 

イラスト・小谷茶(コタニティー)

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 1987年、沖縄市出身。お笑い芸人・携帯電話ショップ勤務の経験を生かし、スマホ・ネット活用の方法を楽しく、わかりやすく伝える。2020年、本連載をまとめた著書「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」を出版

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