【識者談話】基地内の立ち入り調査、国は米国に働き掛けを 普天間第二小土壌から有害PFOS 原田浩二・京都大准教授


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原田浩二(京都大准教授)

 普天間第二小内の土壌から検出されたPFOSの値は米EPAのスクリーニングレベルを大きく超えている。小学校と周辺地域で土壌と地下水の汚染が広がっている可能性が大きく、米国なら健康被害防止のための詳細な土壌調査を行わなければいけない値だ。

 PFOSが規制され、普天間飛行場から汚染水が流入していない現在で約29倍となっていることを考えると、過去はさらに高かったと思われ、土壌にいまだに残っている可能性が大きい。

 PFAS汚染は地下水が注目されているが、長期的には地下水を汚染し続ける土壌の対策が不可欠だ。住民団体の調査は3カ所の表土だけで、行政が主導して広域的かつ地下深い部分の調査を実施する必要がある。

 汚染源を特定し、汚染をこれ以上拡大させない抜本的な対策を実施するためにも、国は県が求める立ち入り調査を一日も早く実現するよう、米国に働き掛けるべきだ。
 (環境衛生学)