ウミガメ性成熟18~22歳 美ら海水族館確認 爬虫類学誌に掲載


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18~22歳で性成熟が開始することが分かったアカウミガメ(沖縄美ら海水族館提供)

 【本部】沖縄美ら海水族館(本部町)は6日、同水族館のウミガメ館で水族館生まれのアカウミガメの繁殖に成功したと発表した。1995年に水族館で生まれた雌のアカウミガメの生殖腺(卵巣)を観察し、直甲長の計測を行ってきた結果、飼育下でのアカウミガメの性成熟が18~22歳で開始することが明らかになった。

 同水族館によると、ウミガメ類の性成熟が始まる年齢を調べることは非常に難しい。同水族館が成功したアカウミガメの3世代目の繁殖結果も含めて米国の両生爬虫(はちゅう)類学会が出版する「Herpetological Review」(爬虫類学誌)に掲載された。

 研究に携わった海獣課の河津勲課長は「20年以上の長期にわたり、根気のいる研究だった。今後は別の種類のウミガメの性成熟年齢を明らかにしていきたい」と述べた。

 ウミガメ館は95年に1世代目の交尾を確認、1世代目が産卵して2世代目が生まれた。2018年に2世代目の雌の性的な成熟を確認、雄の個体と同居させ交尾を確認した。

 22年も1995年生まれの母ガメと、2003年生まれの父ガメによる繁殖に成功している。今年生まれた子ガメの様子はウミガメ館で鑑賞できる。
 (松堂秀樹)