発達に凸凹がある人が自分のことを理解したり情報交換をしたりしてもらおうと、発達支援講座などを手掛ける一般社団法人イエージュは8月28日、那覇市の保育園あがみてぃで「大人女子の凸凹お茶会~タイプADHD編~」を開いた。
注意欠陥多動性障害(ADHD)は発達障がいの一つで、課題を計画立てて行えなかったり、気が散りやすかったりするなどの特徴がある。
今回は「ADHDかな」と悩んでいる人や、自分のことを理解したいと思い解決策を探している人、ADHDについて一緒に考えてみたい人などを募集し、20代~60代の女性8人が参加した。
イエージュの代表理事で、沖縄発達支援研究センター代表を務める金武育子さんは「はっきりと発達障がいがあると分かる人へのサービスは整ってきているが、そうではない人は見過ごされやすく、生きづらさを理解してもらいにくい」と指摘する。「生きにくさはあるけどそれが何なのか分からないと、より悩みは深くなる。そうなる前に自分のことを理解し、自分で自分を助けるために何が必要なのか知ってもらうきっかけにしたい」とお茶会の狙いを説明する。
「大人女子」という言葉にもこだわった。金武さんは「ジェンダー平等の観点から見ると『大人女子』という表現は時代に逆行しているように見えるかもしれない」と前置きした上で、次のように語る。「社会性が比較的高い女性の発達障がいは見過ごされやすく、多少困っていてもどうにか対応できてしまう。ADHDというと年齢も性別も関係なく一緒くたに理解されがちだが、生きづらさを感じる場面や困難はそれぞれ違う」と対象を絞った意味を説明した。
金武さんは、ケアレスミスをしやすく、計画的な行動が苦手なADHDタイプの女性が、仕事をしたり結婚や出産をしたりする中で、周りの期待に応えようと頑張ってもうまくいかず、その要因が分からないまましんどい状況に追い込まれている可能性があることを危惧する。「小さい頃に障がいを見過ごされ、支援がないまま人生経験を積んだ女性たちがどれだけしんどいのか、それを自覚し、互いに共有するところから始めたい」と話した。
今後もお茶会を重ね、参加者の関係を作っていきながら具体的な対策法などをレクチャーする機会も設ける考えだ。
イエージュは今後もさまざまな取り組みを展開する。10月は「お祖父(じい)ちゃん、お祖母(ばあ)ちゃんの凸凹孫育て」、12月は「大人女子の凸凹お茶会~タイプASD~」、来年2月は「だうんお茶会」を開催予定。問い合わせはメールinfo@okinawa-edu.com
(嶋岡すみれ)