【識者談話】選挙公報の普及なぜ進まない? 発行の意義、市町村は十分に理解を 照屋寛之・沖縄国際大名誉教授


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照屋寛之氏

 選挙公報は候補者が一律かつ公平に政策を訴えることができる。有権者は政策を比較することで、候補者を選ぶ際の判断材料になる。そのため選挙の必需品といえる。だが、沖縄は約4割の発行にとどまり、まだまだ浸透していない。各市町村は選挙の意義を理解し、発行することが望ましい。

 中でも候補者や有権者が多い市部で発行していないのは論外だ。公報の意義が十分理解できていないのではないか。

 公報の発行は民主主義のコストであり、必要経費だ。小規模離島などの自治体は発行が難しいであろうことは否めない。それでも本来は居住地に左右されず、同じ条件下で選挙が行われる社会をつくらなければならない。

(政治学)