11日投開票の沖縄県知事選は最終盤に入り、インターネット上でも運動が白熱している。
3候補は動画投稿サイトのユーチューブや短い動画が多いTikTok(ティックトック)、短文投稿のツイッター、写真共有のインスタグラムなど目的に応じて使い分けている。
各陣営の力点や工夫もさまざまだ。
下地幹郎さんの陣営はユーチューブを活用し、動画の一つは9日現在で約13万回再生を超えた。街頭演説は全てすぐに公開。毎日定時に有権者の質問に答えるオンライン会見も続ける。1分で政策を解説する動画も101本、投稿している。
ティックトックやインスタグラムで若年層への浸透を狙う。奨学金返還支援制度を紹介する17秒動画は公開から5日で約30万回再生された。陣営の担当者は「人柄と同時に、政策へ誘導するよう意識している」と語った。
佐喜真淳さんの陣営は「困っていること」の声を募集している。知事として取り組む考えを示すなど双方向のやりとりも。
水泳教室に通う子どものため屋内型の50メートルプールの整備を求める声もあった。記録会に向けコンディションを整えたが、荒天で中止となるなど深刻な訴えに佐喜真さんは「実現したい」と応じた。陣営担当者は「有権者との触れ合いが大事だ。本人の回答も熱を帯びている」と話す。佐喜真さん本人と娘が出演した短編ドラマも配信した。
玉城デニーさんは選挙戦中盤からインスタグラムなどでのライブ配信を開始。若者らとの掛け合いで、生い立ちや学生時代を振り返ったり、質問に答えたりする。聴覚障がいのある人にもメッセージを届けようと、手話通訳も同席している。
陣営スタッフが遊説中に撮影した写真はクラウド上で共有。映像編集やグラフィックの技術を持つボランティアが協力し、バナーなどを作成する。陣営の担当者は「市民の力を借りて発信していきたい」と述べた。 (’22知事選取材班)