弓道成年女子 外間、有水、益本が全国V 近的で県勢初 ぶれない精神力、驚異の的中率 とちぎ国体


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弓道成年女子の近的で競技に集中する(手前から)外間みゆき、有水ゆい、益本奈緒子=13日、栃木県宇都宮市のユウケイ武道館(提供)

 第77回国民体育大会「いちご一会とちぎ国体」は13日、栃木県各地で先行の4競技5種目を行い、県勢は2競技に出場した。宇都宮市ユウケイ武道館で行われた弓道成年女子で沖縄代表(外間みゆき、有水ゆい、益本奈緒子)は近的(射距離28メートル)決勝で愛知に11―9で勝利。決勝トーナメント1回戦は宮崎に9―7、準決勝は石川に9―8で競り勝った。成年女子は1963年に遠的で優勝経験があるが、近的での全国一は初。

 弓道成年女子の沖縄代表が、ぶれない精神力で初の全国一をつかんだ。近的の決勝トーナメント全3戦で、全員が4射中3本以上を決めるという抜群の集中力を発揮した。愛知との決勝は12射中11本という驚異の的中率だった。

 1番手(大前)の外間みゆき(37)は本国体出場6回目で経験が豊富。だが、決勝1本目を外してしまう。「私が外しても有水が射止めてくれると信じていた」と信頼は厚かった。言葉通り、2番手(中)の有水ゆい(21)、3番手(落ち)の益本奈緒子(36)も1本目を的中させ、流れをつくった。以降、全員が外すことなく栄冠をつかんだ。

 チーム最年少で琉球大4年の有水は、鹿児島南高3年時に全国総体の団体優勝経験がある頼もしい選手。外間、益本について「お姉さん的存在」と親しみを込める。「遠的は緊張してうまくいかなかった」とし、「その後にみんなが励ましてくれて、どんな場面でも雰囲気が悪くなることはなかった」と照屋和彦監督率いるチームに感謝する。その声掛けから心に余裕と安心感が生まれた。

 外間は2019年の茨城国体に少年女子の監督として参加しており、近的の決勝で優勝を阻んだ相手が愛知だった。「当時悔しい思いをした選手たちからも連絡をもらい、一緒に喜んだ」と特別な思いで頂点の味をかみしめた。
 (大城三太)


<弓道>

 (ユウケイ武道館)

▽成年女子近的準々決勝(12射)沖縄9―7宮崎(沖縄=外間3中、有水3中、益本3中)

(宮崎=轟木3中、市来1中、野中3中)

▽同準決勝(12射)沖縄9―8石川(沖縄=外間3中、有水3中、益本3中)

(石川=越能3中、山本2中、中村3中)

▽同決勝(12射)沖縄11―9愛知(沖縄=外間3中、有水4中、益本4中)

(愛知=長谷川3中、塚田3中、久野3中)

 (沖縄は初優勝)