芸術を大衆に届けたい 明和電機社長の土佐信道氏が語るオタマトーンのヒットの裏側 琉球フォーラム


この記事を書いた人 アバター画像 琉球新報社

 会員制の講演会組織「琉球フォーラム」(主宰・普久原均琉球新報社長)の9月例会が14日、那覇市のホテルロイヤルオリオンで開かれた。明和電機(芸術ユニット・アーティスト)の土佐信道社長が「明和電機のマスプロ芸術」と題して講演した。

 明和電機は世界中でヒットした電子楽器「オタマトーン」を開発した。芸術を大衆に届けたいという思いから、芸術をおもちゃ会社などと連携して量産する「マスプロダクト」と、展覧会や動画などで大衆に見せる「マスプロモーション」で展開している。これを「マスプロ芸術」と呼んでいる。

 土佐さんは生命や生物をテーマとし、オタマトーンは声への興味から生まれた。発声のしくみや歌などで人の心をつかむ声の呪術性に面白さを感じた。近代楽器は、多くの人が弾けるように音程など「こうあるべき」というルールが設定されている。一方オタマトーンは「音痴で顔がついている」楽器だ。「テクノロジーが進む中、オタマトーンは逆の方向に行った」とヒットの裏側や思いを話した。
 (金盛文香)

土佐信道氏の話に聞き入る会員ら=14日、那覇市のホテルロイヤルオリオン(大城直也撮影)