社会

壕の印鑑、佐賀に遺族 来月、弟の元へ 西原で発見

 【西原】西原町棚原にある旧日本軍の観測壕で、遺骨収集ボランティアの高江洲善清さん(63)=那覇市=が3月に発見した「野田満」の印鑑の持ち主の遺族が判明した。満さんの弟博さん(71)=福岡県=で、戦後70年での発見について「兄が『私のことを忘れてはいけないよ』と言っている気がする」と話している。来月来県し、印鑑を受け取る予定だ。

 印鑑の長さは3センチほどの角形で、篆(てん)書体で「野田満」と彫られてある。高江洲さんは「遺族に返したい」との思いで、糸満市の「平和の礎」の刻銘板から佐賀県出身の野田さんだと突き止め、県を通して佐賀県に照会を依頼していた。
 博さんに15日ごろ佐賀県庁から手紙が届き、兄の遺品を知った。満さんは陸軍の独立歩兵14大隊に所属し、24歳で沖縄戦で亡くなったと聞いていた。遺骨もなく、戦後石が入った箱が届いただけだという。
 「私は当時1歳で兄の記憶はないが、戦地に二度赴いた父はあまり兄について語らなかった。母はよく近くの山に登り兄をしのんでいた。見つけた方にどうお礼したらいいか。感謝している」と語った。
 高江洲さんは「遺族の元に返るのはうれしい。現場も案内できればいい」と話している。


「野田満」の印鑑

   高江洲善清さん


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