麻生、飯田、三田氏に 沖縄文化協会賞


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 沖縄学の若手研究者に贈る第37回沖縄文化協会賞は、比嘉春潮賞(歴史、考古学)に県立芸大講師の麻生伸一さん(34)、仲原善忠賞(文学、芸能、工芸学)に竹富町教育委員会の飯田泰彦さん(48)、金城朝永賞(言語、民俗、民族学)に神戸学院大学准教授の三田牧さん(43)の3人に決まった。11月22日に早稲田大国際会議場で授賞式がある。

 麻生さんは琉球王国時代の古文書などを読み解き、中国、日本との関係の実態を明らかにし「琉球史の新生面を開いた」と評価された。麻生さんは「多くの方々が応援し、支えてくれた」と周囲に感謝した。
 飯田さんは八重山の芸能などを研究する傍ら、子どもたちと交流し「郷土学習の手引き」を発行。地域への貢献も評価された。飯田さんは「子どもたちが地域を学び、誇りを育てるお手伝いをしたい」と喜んだ。
 三田さんは糸満市のウミンチュや販売に携わる「糸満アンマー」の知恵や技術をまとめた民族誌を刊行。「糸満の文化資源としても活用できる」と評価され、「糸満の人たちに育ててもらった」と感謝した。
 会は東京在住の沖縄研究者が発足させ、運営や選考会を主に東京で行ってきたが、沖縄・琉球研究の広がりや研究者の増加を受け、来年は表彰式も沖縄で行うことにした。波照間永吉会長は「沖縄について学べる県内大学も増え、裾野が広がっている」と話した。

  <比嘉春潮賞>     麻生伸一さん
  <仲原善忠賞>     飯田泰彦さん
  <金城朝永賞>     三田牧さん