自動走行のトラクターを実演 ロボットやAIを活用、南部農林高校で「スマート農業」講習会


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運転手が操作しなくても直進アシスト機能でトラクターが進む様子を見学する参加者ら=豊見城市長堂の南部農林高

 【豊見城】農業現場でロボットや人工知能(AI)などの先端技術を活用する「スマート農業」の講習会がこのほど、沖縄県豊見城市長堂の南部農林高校で開催された。南九州沖縄クボタの職員が無人で動くトラクターなどを実演した。県内の農林高校の教職員や生徒ら約35人が参加し、新たな農業の可能性について学んだ。

 スマート農業関連の機器は全国の農業・農林高校で、急速に導入が進んでいるという。多様化する農業教育の実現や農家の働き方改革、女性が作業しやすくなるなどの利点がある。県内の農業系高校でも早期導入のきっかけとするために、今回の講習会が実施された。

 クボタの職員は学校の農地で、水をまくドローンや直進アシスト付きのトラクターを実際に動かしながら、説明した。

 3年生で、農学部がある大学への進学を志望する生徒(18)はトラクターの運転席に座った。「操作が難しいと思っていたけど、簡単にできそうだった。エアコンやブルートゥース(近距離無線通信)も付いていて、女性や若者も快適に作業できそう」と話した。同校3年で、将来は農家になることが目標の生徒(17)は「日本の農業は機械化が遅れていて、海外と差がある。スマート農業の導入は日本の食料自給率を高め、地産地消を増やすことにつながると思う」と、今後の農業の在り方を見据えた。

(照屋大哲)