女性候補49人当選で13%に…変革の兆し タブーの雰囲気から3度目の挑戦で初当選、子育て中の疑問から政治に挑戦<議会に吹く風>上


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 11日に沖縄県24市町村で行われた統一地方選には過去最多の54人の女性が立候補し、49人が当選を果たした。改選前の全市町村の女性議員の割合は11.0%(8月現在)だったが、改選後は13.2%と2.2ポイント上昇。過去最多を更新したものの、それでもまだ女性議員は1割程度と少数派だ。その少数の枠に、3度目の挑戦で村議会初の女性議員となった人や、子育ての中で政治を変える必要性を感じ立候補を決めた人たちがいる。新たな風が地方議会に吹いている。

座間味村初の女性議員になった又吉文江さん=座間味村内

 座間味村初の女性議員となった又吉文江さん(67)は2002年と06年に村議選に挑戦したが、落選。2度目は2票差で次点だった。「自分の力不足もあるが、村内に女性が積極的に政治に関わることにタブーの雰囲気があった」と振り返る。

 村民によると、10年以上前まで村議は大抵、村職員OBや村の有力者だったといい「女性の入る余地などなかったのではないか」と打ち明ける。又吉さんは「村外から移住者も増えるなど、この16年で有権者の意識は変わった。(自分が)当選することによって『私にもできる』という女性が増えてほしい」と期待した。

読谷村議会議員選挙でトップ当選した新人の與那覇沙姫さん=13日、読谷村

 国頭、東、読谷の3村では女性の新人候補がトップ当選した。読谷村の與那覇沙姫さん(37)もその一人。保育士として公務員を13年間務めながら、子どもを取り巻く環境改善を目指して活動してきた。さまざまな人との出会いや、ひとり親でも公務員は生活に必要な給付金を受給できないという自身の経験を通して、「今の村政は、子育て世代や困窮世帯のための行政運営に欠けている」と感じた。政治の決定が生活に影響する。住みよいまちづくりの議論には、さまざまな視点が必要だと感じ、立候補した。

 「誰でも挑戦できる選挙」の実現を目指し、街宣車を使わず、選挙事務所も構えないなど費用を抑えて選挙戦を展開した。「これからの読谷を担う人にとって、投票先の選択肢になれたと感じる」と話し、女性や性的少数者(LGBTQ)や障がい者など多様な人が集まって議論できる土壌をつくりたいと意気込んでいる。

北谷町議会議員選挙の当選証書付与式で笑顔を見せる7人の女性議員ら(前列)=14日、北谷町役場

 改選後も全市町村で議会構成は男性に多く偏る。しかし、今回の選挙で議員定数に占める女性の割合が北谷町議会は県内最多の36.8%となった。一部の議会では女性が複数いる光景が当たり前になりつつある。議会は本来、社会の縮図であるのが理想。さまざまな背景を持つ議員の当選で、地方議会に変革の兆しが訪れている。

(比嘉璃子まとめ)


 4年に一度の統一地方選が11日、山場となった。今回の特徴について、地域の状況を追った。